部位ごとの症状
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首
首は頭部を支える重要な部位です。また、首の骨の背中側には頚髄という脳の一部が走行しているため、場合によっては神経性の症状(しびれ、運動障害、感覚障害)をきたすこともあります。そのため正確な診断と適切な治療がとても重要となります。
変形性頚椎症(変形性頚椎症)
首の骨である頸椎へのストレスが慢性的になると、徐々に頸椎に棘(骨棘)が形成されたり椎間板が痛んだり、頸椎の並び方の変化が起こったりします。これらが原因で頸部の痛みが起こることがあります。
頚椎症性神経根症(けいついしょうせいしんけいこんしょう)
頸髄からそれぞれ右手、左手に神経芽枝分かれします。その枝分かれした神経がヘルニアやその他の刺激を受けて片側の上肢にしびれ、痛みが出ます。初発症状として肩甲骨周囲の痛みから発症することもあります。痛み止めや頸椎カラーが有効な手段ですが症状が取れない場合はエコーガイド下頸椎神経根ブロックをすることもあります。
頚椎症性脊髄症(けいついしょうせいせきずいしょう)
首の骨の変形による脊髄の通り道が狭窄を起こします。それにより手足のしびれ、手指の細かい運動のできにくさ(ボタンのつけ外し、箸の使用、書字 等)がしにくい、歩行時に違和感、四肢に力が入らない等の症状が出現します。投薬治療やリハビリなどで改善が見られない。転倒の危険が高い場合には連携病院と協力し、手術的治療をお勧めする場合もあります。
頸椎椎間板ヘルニア(けいついついかんばんへるにあ)
首の骨と骨の間にあるクッション(椎間板)が骨の背側にある頚髄方向に飛び出し、神経を圧迫して起こる病気です。上記にある頚椎症性神経根症や頚髄症といった病気をおこすことがあり、投薬や頸椎カラーの使用、頸椎の牽引や理学療法が中心となりますが症状が強い場合は手術治療をお勧めすることもあります。
肩こり
肩凝りには首の周囲の筋肉: 胸鎖乳突筋 斜角筋 頭板状筋 肩甲挙筋 前鋸筋等
多彩な筋肉が原因となり痛みを発します。正確な原因筋を突き止め、治療・予防していくことが重要となります。当院ではエコー検査機を使用して正確な診断と治療を心がけております。エコーを使用して狙った部位に正確にハイドロリリースや神経ブロック、椎間関節ブロックを行うことで症状を改善させます。
ストレートネック
首の骨は本来前側凸の弓状の形をしておりますが、何らかの原因で首の骨がまっすぐに並んでいる状態です。首の後ろの筋肉に負担がかかるため肩こりになりやすく、首を痛めやすい特徴があります。PC、スマートフォンが普及してから若年~中年層を中心に多くなっています。
頚椎捻挫/外傷性頚部症候群(けいついねんざ/がいしょうせいけいぶしょうこうぐん)
交通事故や転倒などによる怪我の直後または数日してから首が痛み始める後頸部の筋肉の損傷による疼痛。頸椎カラーや投薬、リハビリテーションが重要な治療となります。後遺症を残さないためには初期治療が重要と言われており、放置せずに専門医にご相談ください。
当院では交通外傷にも力を入れており、わからないことがあればぜひご相談ください。
後縦靭帯骨化症(こうじゅうじんたいこっかしょう):OPLL
頸椎の腹側の靭帯が骨化していく病気です。骨化した靭帯が頚髄を圧迫し、通り道が狭くなることにより首の痛みや、四肢の痛み、しびれ。歩行障害や麻痺があらわれることがあります。糖尿病に合併することが多く、ご家族の方に同様の病気の方がいらっしゃることが多いです。難病指定されており、当院医師は難病指定医であるためぜひご相談ください。
黄色靭帯骨化症(おうしょくじんたいこっかしょう):OLF
頚髄の背側の靭帯が骨化することにより、頚髄を圧迫することによる症状が出ます。OPLLと同様の症状が現れます。これも難病指定となっております。
頚椎偽痛風(けいついぎつうふう)
急に首に激痛が出ます。CT検査などで歯突起と言われる首の骨の周囲に石灰化がみられることが多いです。高齢者に多い病気です。
首下がり症(くびさがりしょう)
首下がり症は頭を持ち上げて前を向かせることができなく、 顎が胸についてしまう“chin on chest” という状態になってしまうため、首が垂れ下がって下を向いた状態になります。これは首から背中をつなげる筋肉の筋力低下によって発症します。姿勢維持困難症の一種で高齢化に伴い増加傾向にあります。
この状態でいると、前を向いて歩きにくくなったり、洗顔動作、歯磨き、ご飯を飲み込む(嚥下)などの生活基本動作が困難になります。また呼吸するのも苦しく感じることもあるため日常生活の質を著しく低下させます。
立った姿勢は、下を向いた首で前を見るためにお腹をつきだした状態となり、骨盤は後傾し、膝を曲げて歩くような状態になる方もおられます。
原因のチェックが大切で、整形外科では頚椎症などの骨が原因であるかを調べます。それ以外に神経や筋肉の病気が原因で起こる場合があります。パーキンソン病・ジストニア(筋肉が緊張し続ける)・ミオパチー(筋肉の力が弱くなる病気)などが原因として挙げられ、神経内科などでの診察が必要となります。向精神薬の服用が影響することもあるので注意が必要です。
当院での検査は、採血、骨密度、エコーを使用して筋肉の状態を確認することで、診断します。内科的な診察が必要と判断すれば連携病院で精査を依頼いたします。首(頭)が下がったままの状態を放置すると、筋肉が断裂して繊維組織に置き換わってしまい治癒が困難となってきます。そのため早期の診断と早期治療が大切です。
肩
肩関節は人体の中で最も多彩に動く関節です。肩の周囲には様々な方向に動かすための筋肉が集まり、肩甲骨の動きとも連動することによりその動きを多彩なものとしています。多くの筋肉や筋、骨が関与しているため、その種類だけ原因も多彩ということも言えます。また、肩関節は拘縮という関節が固まって動きにくくなりやすい特徴があり、長く放置していると肩の拘縮がとりづらくなってしまいます。肩が痛む、肩こり、肩のひっかかり感、腕をあげづらい等の症状が出た場合は放置せず早期に専門医の診察を受けてください。
レントゲン、エコー装置にて正確な治療を行い、投薬、注射、リハビリテーションで患者様の生活に支障が出ないよう精一杯の手助けをしてまいります。
肩関節周囲炎(かたかんせつしゅういえん)
腕を上げ下げや腰に手を回すと肩が痛む、夜になると肩が痛むこともあります。
まずエコーにて肩関節のどの部位が痛んでいるのかを正確に把握し、注射やリハビリテーションなどの治療を行っていきます。
凍結肩(とうけつがた)
器質的な原因が明らかでなく発症する方の関節拘縮。肩の痛みに続いて強い拘縮(関節の動きにくさ)をきたします。痛みのコントロールを行い、理学療法にて関節の可動域を広げる必要があり、エコーガイド下のハイドロリリースや肩に麻酔をかけて強制的に肩の可動域を出すサイレントマニピュレーションといった処置が必要となることもあります。
腱板断裂(けんばんだんれつ)
腱板という肩の周囲の筋肉が上腕骨に付着する部分が切れた状態です。MRIやエコー装置にて診断し、場合によっては手術的治療が必要となることもあります。
石灰沈着性腱板炎(せっかいちんちゃくせいけんばんえん)
筋肉が筋肉に付着する際に腱という硬い組織になって骨につきます。その腱の部分にカルシウムが沈着をおこし、それが炎症を引き起こしたものです。夜間痛など、強い痛みを引き起こすことがあります。肩関節に多く見られますが他の部位にみられることもあります。
沈着が大きい場合は注射器を使用して洗浄をすることもあります。痛みの強い場合はステロイドという炎症を強く抑える薬剤の使用を検討いたします。
肩関節脱臼(かたかんせつだっきゅう)
転倒や交通事故などで上腕骨と肩甲骨で作られる肩関節の位置が破綻した状態です。なるべく早期の脱臼整復が必要となります。整復の際にそれが原因で骨折を起こしてしまうこともあり、必ず医師の診察・治療を受けることをお勧めします。何度も脱臼を繰りかえす場合は反復性肩関節脱臼と呼ばれ、脱臼しやすくなった原因を究明していく必要があります。
上腕二頭筋腱皮下断裂(じょうわんにとうきんけんひかだんれつ)
腕を曲げる際に働く上腕二頭筋の骨に付着する腱部分が切れてしまった状態です。多くは肩付近で切れてしまいます。ポパイ徴候という力こぶが大きく出てしまう症状が特徴的です。
反復性肩関節脱臼(はんぷくせいかたかんせつだっきゅう)
肩関節は一度脱臼を起こすと脱臼を繰り返しやすくなり、前下方脱臼では、外転・外旋位を強制されることによっておこります。 脱臼の回数を増すごとに軽微な外力で再発するようになり、スポーツ活動ばかりでなく、寝返りのような日常動作でも脱臼が起こす方もおります。 これを反復性肩関節脱臼と呼びます。
動揺性肩関節(どうようかたどうようせいかたかんせつ)
肩の関節が、あらゆる方向に正常以上に動いて、不安感をともなうのを動揺肩といいます。 外傷に影響されず、自分の意志で肩を脱臼(だっきゅう)させる行為や、特定の腕の位置で肩が習慣性に脱臼する状態もこれに含まれます。 症状としては、肩関節の痛み、脱臼しそうな不安な感じ、腕周りのしびれた感じ、肩こり痛などがあります。
肘
肘が痛む、肘関節、肘周辺違和感、肘をあげづらい等の症状の主な原因は以下のような病気が考えられます。自己判断せず、専門医による適切な診療、検査を行い、原因に応じて最適な治療を提案いたします。レントゲン検査、エコー検査などを用いて診断をし、リハビリ(理学療法)、内服治療、注射、物理療法等、の治療を提案致します。
肘部管症候群(ちゅうぶかんしょうこうぐん)
肘の内側には尺骨神経という神経が走っています。それが肘部管という部分で狭窄を起こした状態です。初期は小指と環指の一部にしびれが現れ、マヒが進行するにつれて、手の筋肉がやせてゆき、小指と環指の変形がおきてきます。内服治療、注射治療などの保存的治療で効果なく麻痺が進行するようであれば手術治療をお勧めいたします。
上腕骨外側上顆炎(テニス肘)(じょうわんこつがいそくじょうかえん)
肘関節の外側に疼痛が生じます。手関節を外返しにしたり手首を背屈させたりすると痛みが誘発されます。リハビリ、電気治療、サポーターを使用することもあります。痛みが強い場合には注射治療をすることがあります。
上腕骨内側上顆炎(ゴルフ肘)(じょうわんこつないそくじょうかえん)
外側上顆炎とは反対側の肘内側部にとう痛が出現します。
手関節を打ち返しにしたり手関節を掌屈させると痛みが出ます。
治療方法としては外側上顆炎と同様です。
肘内障(ちゅうないしょう)
【受傷起点】
典型的には子どもが手を引っ張られた後に、腕を下げたままで動かせなくなります。このような受傷起点だけでなく、時には骨折との鑑別が必要となることもあります。
【症状】
肘を痛がったり動かさなかったり、手首を痛がることも多いです。
【病態】
橈骨頭という骨が輪状靭帯という靭帯から亜脱臼を起こした状態です。
【治療】
当院ではレントゲンやエコーを使用して診断を行い、肘内障であれば整復術(正しい位置に戻す処置)を行います。
【よくご両親にお話しすること】
肘内障で将来障害が残ることはありません。鉄棒に子どもがぶら下がっても肘内障を起こすことは無いように、子どもが親の手を握っていれば肘内障を起こすことはありません。子どもの手に力が入っていない状態で手首等を引っ張らないように注意しましょう。
変形性肘関節症(へんけいせいひじかんせつしょう)
肘関節の変形性関節症です。骨の変形や関節軟骨のすり減り等が起こり、肘を動かすと痛みが出ます。肘の変形性関節症は単独では起こりづらく、原因疾患としてリウマチ等の有無の確認が必要となります。
肘内側側副靭帯損傷(ひじないそくそくふくじんたいそんしょう)
内側の靭帯がストレスを受けて損傷してしまいます。
このストレスが靭帯ではなく、靭帯付着部の骨に起こると下記の内側上顆裂離となります完全な断裂となると腱移植術が行われます。
これがよく聞くトミー・ジョン手術です
上腕骨内側上顆裂離(じょうわんこつないそくじょうかれつり)
内側の靭帯に引っ張られて肘の内側の骨が剥離骨折を起こす。リトルリーグエルボーとも呼ばれます。少年野球選手の20%に起こり、フォーム改善やストレッチとともに、1~2ヶ月の投球禁止で効率的に回復します。
離断性骨軟骨炎(OCD)(りだんせいこつなんこつえん)
投球動作により肘の外側に圧迫力が加わり、関節の軟骨が痛んでしまう障害です。
10歳から12歳の選手に発症しやすく、少年野球選手の2%に発症するといわれています。原因は不明な部分も多いですが、投球動作に遺伝的要素や血流障害が加わることにより病態が悪化するといわれています。
初期には症状が無いことが多く検診で偶然発見されることがあります。
早期に発見されれば約6~12ヶ月の投球禁止で約95%が完全に回復します。発見が遅れると手術的な治療が必要になることがあるため定期的な検診が重要とされます。
肘頭骨端線離開・肘頭疲労骨折(ちゅうとうこったんせんりかい・ちゅうとうひろうこっせつ)
肘を曲げると曲げた側に出っ張ってくる骨があります。それを肘頭と呼びます。ここには上腕三頭筋という肘を伸ばすときに収縮する筋肉が付いており力強く進展する動作が繰り返され肘頭が骨折を起こすことがあります。ギプス固定により高い確率で改善しますが、疲労骨折の場合手術治療が必要になります。
手
手は日常生活の中で最も使用する部位の一つであり、他の部位よりも精密な動きが必要となります。
指や手関節の疼痛や動きづらさがあると日常生活動作での疼痛、不自由、精密な運動ができないがゆえ 大変なストレスとなります。
また、手指の症状で発症することが多い病気として関節リウマチがあります。その症状や家族歴から疑いのある場合にはリウマチの検査をお勧めいたします。
ばね指(ばねゆび)
当院ではばね指の手術を行っております。
ばね指は、指の屈筋や関節がまるでばねのように引っかかるように感じられることから名前がついています。指を屈曲すると突然、ばねのように関節が引っかかり伸ばせなくなってしまうことが特徴です。 この病態は指の関節における腱や腱鞘の問題に起因しており、関節の正常な動きを制限してしまいます。
ばね指の主な原因は以下の通りです。
腱の炎症: 指を曲げるための腱(屈筋腱)が炎症を起こし、腱鞘に引っかかる。
腫れた腱鞘: 腱が通る鞘(さや)が腫れてしまうことで、指の腱がスムーズに動かなくなる。
ばね指の治療は、症状の程度に応じて異なります。治療法には保存療法、リハビリ療法、薬物療法、注射療法、手術などが含まれます。
ばね指の治療方法
- 保存療法
- 指の休息:ばね指の症状がある間、指を休ませることが大切です。
- 冷却:痛みや腫れを軽減するため、氷を使った冷却が役立つことがあります。
- 適切なサポート:指をサポートするために、スプリントや包帯を使用することがあります。
- リハビリ療法
- 理学療法師の指導のもとで行うエクササイズやストレッチが、ばね指の症状を改善するのに役立つことがあります。これらの 運動は指の筋肉を強化し、関節の柔軟性を向上させることが目的です。
- レーザー治療機を使用し、腱や腱鞘の炎症をおさめその肥厚を改善させます。
- 薬物療法
- 痛みや炎症を軽減するために、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)や疼痛管理薬が処方されることがあります。ただし、医師の指示に従って使用する必要があります。
- 注射療法
- ばね指の症状が中程度から重度の場合、医師はステロイド注射を検討することがあります。これにより、炎症が軽減されることで症状が緩和されることがあります。しかし複数回のステロイド注射は腱断裂のリスクとなります。
- 手術
- 上記1~4のような治療で改善が見られない場合、手術が必要となることがあります。手術は、指の関節の異常な組織を修復または調整し、正常な指の動きを回復させることを目的とします。
- 当院で手術を検討の方はこちら
ばね指の治療法は、個別の症状に合わせて決定されるべきです。ばね指の症状がある場合、早めに医師に相談し、適切な治療プランを立てることが大切です。治療が適切に行われると、症状の改善や指の正常な動きの回復が期待できます。
母指CM関節症
物をつまむ時や、ビンの蓋を開ける時など母指(親指)に力を必要とする動作で、手首の母指の付け根付近に痛みが出ます。進行するとこの付近が膨らんできて母指が開きにくくなります。また、母指の指先の関節が曲がり、手前の関節が反った「白鳥の首」のような形に変形します。サポーターなどを使用して痛みのある時には安静や痛み止め等で炎症を抑えるようにします。
へバーデン結節、ブシャール結節
手指の変形性関節症です。更年期障害に伴うものとしても注目されています。関節リウマチとの鑑別が重要となっています。
マレット指
指の先端の骨の骨折によっておこります。指の先端の関節が曲がったままで痛みや腫れがあります。骨折なのでギプス固定を行います。骨折が大きいあるいは複雑な場合は手術が必要となることもあります。
爪周囲炎
急性炎症では爪の周囲の痛み、発赤や腫れが出現します。進行すると膿(うみ)がたまり、ずきずきする痛みで眠れないこともあります。
デュピュイトラン拘縮(でゅぴゅいとらんこうしゅく)
手掌から指にかけて硬結(硬い組織)ができ、皮膚がひきつれ徐々に伸ばしにくくなります。中高年に好発し、男性がほとんどです。薬指(環指)小指に多く見られますが、他の指や足裏にもできることがあります。糖尿病を合併することが多いです。進行を抑制する治療は無く、拘縮が強い場合には根治的治療のため連携病院にご紹介いたします。
ドケルバン病 (どけるばんびょう)
手首の母指側にある腱に炎症が起こった状態です。腱鞘の部分で腱が動かしらくなり、手首の母指側が痛み、腫れます。母指を広げたり、動かしたりするとこの場所に強い疼痛が現れます。サポーターや投薬、リハビリ、症状の強い場合は注射で治療いたします。
ガングリオン(がんぐりおん)
関節の内圧が高まるとガングリオンを発生することがあります。ガングリオンは米粒大から最大でピンポン玉程の袋状の腫瘤で、経時的に大きくなったり小さくなったりします。内部がゼリー状の液体で満たされており、軟らかいものから硬いものまであります。通常は無症状な事が多いのですが、神経のそばにできると神経を圧迫して、しびれや痛み、運動麻痺などを起こします。ガングリオンが大きく、邪魔になったり不具合を生じさせる原因となっているようであれば内部の液体を抜いたり、手術的に袋を除去することもあります。処置を行っても再発することがあります。
手根管症候群 (しゅこんかんしょうこうぐん)
手指にしびれを感じます。典型的には親指、人差し指、中指、薬指の半分がしびれます。手根管とは、手首の部分にある骨と横手根靭帯に囲まれた空間のことであり、その空間に指を曲げる腱と正中神経が通過します。 この手根管内で、何らかの原因により正中神経が圧迫されると、手根管症候群を発生します。
橈骨神経麻痺(とうこつしんけいまひ)
橈骨神経が圧迫あるいは、損傷されて生じる上腕から指にかけての麻痺する病気です。 腕枕で長時間寝てしまった場合などに起きやすく、手首~指の運動麻痺、痺れなどの症状が出ます。 多くは橈骨神経が圧迫されて生じます
橈骨遠位端骨折(とうこつえんいたんこっせつ)
手首の親指側の骨の骨折です。特に高齢者が転倒して手をついて受傷することが多く、骨粗鬆症との関連が強い骨折です。
ギプス固定等で治療開始し、場合によっては手術的に治療が必要となることがあります。
治療後に手根管症候群や手指の屈筋腱損傷を続発する場合があり、早期の専門医の診断、治療が必要となります。
舟状骨骨折
転倒などにより手首を強く背屈させることから生じます。 舟状骨は、親指の付け根に存在する骨であるため、受傷直後には同部位が痛み、腫れます。 しかし、骨のずれが少ない場合には痛みはさほど強くなく、捻挫として認識されてしまうこともあります。
キーンベック病
手の手根骨と言われる小さな骨の集まりのうち月状骨という骨に生じる病気です。血液供給が阻害されて骨が壊死を起こします。けがが原因で起こることも、また自然に起こることもあります。 典型的な症状としては、痛み、患部の関節可動域の制限、などがあります。
アッヘンバッハ症候群
アッヘンバッハ症候群は、外傷や血液凝固能異常などの明らかな誘因なく、突然、手指や手掌(まれに足趾・足底)などに痛みや痺れ、つっぱりといった異常感覚が生じ、同部位に血腫が形成される疾患。その後、皮下出血や紫斑を残し、数日から数週間持続した後に自然消失する。こうした出血発作は繰り返され、短時間に頻回の人もいれば、数年ごとの人もいる。好発部位は、示指、中指。中でも中節部と基節部に出現することが多い。50歳代以降の女性に多く認められる。原因としては、加齢に伴う局所の血管の脆弱性が疑われているが、はっきりとはしていない。本人が気付かないくらいのちょっとした刺激などを契機に微小血管が壊れ、血腫を作るのではないかと考えられている。血液検査などを行っても異常所見は見られず、特別な治療を行わずとも自然消退する。血液疾患と鑑別するために、血液検査が必要。
腰
腰の痛みの有訴者率(症状の訴えのある人の割合)は男性で第1位、女性でも第2位の疾患です。腰椎は脊椎(首~腰までの背骨全体)の中でも一番下に位置しており、体重の負荷が一番かかる部位です。そのため腰回りの筋力により腰部を守ってあげられるか、自分の体重を支え切るための筋力があるかどうかが重要となってきます。
また、腰椎の背中側には下肢を支配する神経が走行しており、神経痛を引き起こすこともあります。
急性腰痛症
突然のように痛み出す腰痛のタイプの1つで、いわゆるぎっくり腰です。 急性腰痛症は、重い物を持ち上げる時や、急に腰を捻る動作をした時などに発症します。 腰の筋肉がその動きや負荷に耐えられず、何らかの形で支障をきたし、痛みが生じます。
トリガーポイント注射が効果的な患者様が多いです。
腰椎椎間板ヘルニア
主にお尻や足の痛み・しびれ、動かしにくい、力が入りにくいという症状が出ます。 痛みやしびれは下半身のどこにでも出る可能性がありますが、特にお尻から太ももの裏側の痛みは坐骨神経痛と呼ばれ、腰のヘルニアの代表的な症状です。夜間の睡眠を妨げるような激痛、下肢の麻痺を伴うような場合は手術的治療をお勧めいたします。
近年では手術的治療だけでなく、椎間板への注射治療なども行われており、連携病院と協力の上治療方針を決定してまいります。
脊椎分離症(せきついぶんりしょう)
特に腰椎の曲げ伸ばしを多くするスポーツを繰り返しすることにより起こる疲労骨折。初期には痛みが強い場合があります。将来的には分離すべり症という腰骨にズレを生じて脊柱管狭窄症の原因となることがあり、早期のMRIやCT検査で適切な診断と治療をすることが重要です。
変形性腰椎症(へんけいせいようついしょう)
腰の骨に負担が長期間かかることにより、骨の変形や椎間板の消失、椎間関節の変形などをきたした状態です。これに続発した腰痛、脊柱管狭窄症の方は高齢者に多いです。
ダイエットや筋力トレーニングが第一ですが、痛みのコントロールを行いながらコルセットやリハビリを中心に治療していきます。
すべり症(すべりしょう)
症状としては、まず腰痛と下肢の痛みがあります。 背骨の神経の圧迫が強い場合は、間欠性跛行(かんけつせいはこう)といって、長距離を歩くと、お尻と太もも、ふくらはぎなどに痛みや痺れが出てきて、歩きにくくなる症状が出る事が多いです。
腰椎椎間板症(ようついついかんばんしょう)
基本的な症状は腰痛で、痛みが無い場合でも腰のこりや違和感、動きの悪さなどとして自覚することもあります。このような状態を放っておくと腰痛が進行する可能性があります。 腰痛があることと、腰の動きで痛みが変化すること、および足の痛みやしびれがないこと、レントゲン所見でこの疾患を疑います。
腰部脊柱管狭窄症(ようぶせきちゅうかんきょうさくしょう)
骨や靭帯の肥厚、椎間板の突出などで、脊柱管が狭くなり、腰の痛みや脚のしびれなどの症状を起こすものです。 典型的には歩いていると下肢のしびれが強くなり休まねばならない。少し休むとまた歩ける(間歇跛行)という症状が出ます。骨や靭帯の変形に続いて起こることが多くレントゲンで変形性腰椎症と言われ、下肢のしびれや間歇跛行を伴うような場合はこれを疑います。MRIなどで確定診断をし、投薬やリハビリ、ブロック注射や点滴での治療等を行います。症状の強い場合には手術的治療が必要となります。
びまん性特発性骨増殖症(びまんせいとくはつせいこつぞうしょくしょう)
(diffuse idiopathic skeletal hyperostosis:DISH)
DISHとは,脊柱(背骨)が椎体の前方にある前縦靱帯を中心に広範な脊椎強直(背骨同士がくっついてしまう)をきたす疾患です。その発症は高齢,肥満,糖尿病など生活習慣とも関連し,近年増加傾向にあります。DISHの多くは50歳以上で発症し,女性よりも男性に多いと報告されています。DISHの診断には,①石灰化または骨化を少なくとも4椎体で連続して認めること ②罹患領域で椎間板腔が比較的保持されていて,椎体辺縁の骨硬化などの椎間板変性を示唆する所見のないもの ③仙腸関節部での骨硬化や骨癒合などを認めないこと,のすべての条件を満たすことと定義されています。腰痛には影響を与えないと報告されており,DISHそのものが痛みを引き起こすことは現在証明されていないのが実情です。DISHのある方が転倒などにより圧迫骨折をきたすと高い確率で麻痺をきたすため、その予防のため骨粗鬆症の治療を行うことをお勧めします。
強直性脊椎炎(きょうちょくせいせきついえん)
(ankylosing spondylitis:AS)難病指定
ASは自己免疫疾患による慢性進行性の炎症性疾患であり,ヒト白血球膠原HLA-B27が関係しています。主に体幹に近い四肢関節(特に肩関節,股関節),脊椎,仙腸関節を含み症状が出現します。20歳代の男性に好発し,初発症状は背部の痛みと進行性の脊椎の可動性の減少です。画像所見としては,X線写真で,一側あるいは両側の仙腸関節炎,竹の節のように連続的に連なって変形し,癒合した脊椎(bamboo spine)が特徴的で,DISHと類似した画像所見を呈します。本疾患はDISHと異なり炎症性の疾患であることから,背部の痛みを引き起こすことが特徴です。
骨盤
骨盤のゆがみや痛みは、日常生活や姿勢の乱れ、運動不足などが原因で起こることがあります。これらの症状は、腰痛や脚の不調などさまざまな不快な症状を引き起こす可能性があります。定期的な運動や姿勢の注意、適切なストレッチなどを行うことで、骨盤のゆがみや痛みを予防し、健康な身体を維持することが重要です。早めの診断をお勧めいたします。
肛門挙筋症候群(こうもんきょきんしょうこうぐん)
尾骨のあたりが誘引なく痛むという方がいらっしゃいます。レントゲンなどの画像肩鎖では骨折などの異状はありません。これは肛門周囲の筋肉のれん縮によって痛みが生じている可能性があります。この痛みは通常20分以内におさまることが多いです。痛みは、短く強い場合もあれば、直腸の奥の漠然とした痛みの場合もあります。自然に生じることもあれば、座ったときに生じることもあります。
- 肛門付近に筋れん縮が起こる原因は一般に不明です。
- 痛みは短時間で治まる場合もあれば、数時間続く場合もあります。
- 治療法としては、痛み止めや坐浴(肛門を熱くないお湯に浸す)などがあるほか、ときに理学療法も行われます。症状は放屁、排便によって和らぐことがあります。
股関節
足の付け根にある股関節は、立つ・座る・歩くなど日常の動作で頻繁に動く部位であることから、体の中でも特に負担がかかりやすく、痛みが出ることが多く見受けられます。
歩行時や座って足を組む時などに足の付け根に痛みを感じるようになった、急に足の付け根が痛くなった等、違和感や症状が出始めたら、放置せずに検査、相談をお勧めいたします。
発育性股関節脱臼/先天性股関節脱臼(はついくせいこかんせつだっきゅう)
通常は指が弯曲しているように見えます。痛みと腫れが生じます。
臼蓋形成不全(きゅうがいけいせいふぜん)
臼蓋の形が不完全であるために、大腿骨頭が臼蓋に収まらずにはみ出している状態で、使い続けているうちに股関節に負担がかかったり、軟骨がすり減ったりすることで、痛みが生じます。更に、関節が硬くなり、動きが悪くなります。
変形性股関節症
股関節(脚の付け根)に痛みが生じます。痛みの他に、股関節の動く範囲(可動域)に制限が生じるため、運動機能に障害を伴うのが特徴です。放置して悪化すると、長い時間立ったり歩いたりすることが困難になり、関節症が進行するとじっとしていても、常に痛むようになり、ひどい場合に睡眠時横になっていても痛みがでます。
大腿骨頸部骨折/転子部骨折
股関節(脚の付け根)に痛みが生じます。痛みの他に、股関節の動く範囲(可動域)に制限が生じるため、運動機能に障害を伴うのが特徴です。放置して悪化すると、長い時間立ったり歩いたりすることが困難になり、関節症が進行するとじっとしていても、常に痛むようになり、ひどい場合に睡眠時横になっていても痛みがでます。
恥骨・坐骨骨折
恥骨や坐骨の骨折に伴い、股関節部分に痛みが生じるだけでなく、立ち上がり、歩行時に機能障害を伴う症状がでます。高齢者が尻もちをつくような転倒後に、立ちあがる際や、歩行時に支障が生じるとこの骨折を疑います。
関節唇損傷(かんせつしんそんしょう)
関節内の関節唇という軟骨が関節窩からはがれる事で、脱臼をしたように関節の付け根が抜けた違和感と共に痛みを生じます。角度によって痛みの強さが違うのが特徴で、音がする時もあります。
弾発股(だんぱつこ)
股関節の周りにある靭帯や腱が、骨に引っかかることで、違和感を覚え、音が鳴ったりする現象です。 スポーツや歩いたときなど、股関節を動かしたときに音がします。 初期段階は痛みがでない事もあるが、繰り返し骨と腱がこすれていくことで、炎症が起きると、痛みが発生します。
膝関節
膝の痛みは、高齢者や肥満体形で膝に負担が多くかかる方によくみられます。運動でかかる膝への過剰な負担によって、膝が痛くなることはもちろん。痛みのほかに、膝の腫れや膝がグラグラする感覚を伴うこともあります。痛みの程度が強い場合や長く症状が続いている場合には、日常生活に支障が出る可能性が高いです。早期に原因をはっきりさせることが大切です。また、思いもよらない原因が潜んでいることもあるため、注意が必要な症状でもあります。
変形性膝関節症 (へんけいせいしつかんせつしょう)
膝の関節軟骨と呼ばれるクッションの役割を果たす組織がすり減り、炎症や痛みが生じることがあります。高齢になり関節軟骨が老化したり、肥満により膝への負荷が増えたり、あるいは遺伝的な原因によって膝の関節軟骨がすり減るとされています。
また、骨折、靭帯や半月板の損傷、感染の後遺症で生じることもあります。
オスグッド・シュラッター病(おすぐっど・しゅらったーびょう)
スポーツをする子供に多い病気です。膝のお皿のすぐ下の部分(脛骨結節)には膝蓋腱という 脚気の時にたたく腱が付着しており、使い過ぎによってその部分がはがれてしまうことで痛みを生じます。赤みや腫れ、熱をともなうこともあります。安静時に痛みが引いても、運動すると再び痛みを生じます。スポーツの休止や理学療法にて治療していきます。
症状が強い場合や大切な試合が近い場合は相談の上注射治療することもあります。
前十字靭帯損傷
バスケットやサッカーなど急な方向転換することの多いスポーツで見られることが多いです。受傷時は強い痛みとともに断裂音を感じることもあります。関節の中に血がたまり、腫れと熱を伴います。その後に少しずつ痛みは軽減しても、膝に力が入らない、膝がガクガクする、膝が外れそうなどの症状があります。MRIで確定診断を行い、将来の変形性膝関節症の予防として再建術をお勧めすることもあります。
内側側副靱帯損傷
膝を動かした時に、内側に痛みを生じます。押すと痛く、熱や腫れをともなう場合もあります。動き方によっては、膝がグラグラして不安定に感じます。放っておくと、膝に水がたまることもあります。
半月板損傷
膝を動かした時に痛みが生じます。また腫れたり引っかかりを感じることがあります。損傷がひどい場合には、膝に水がたまったり、膝関節が動かなくなる「ロッキング」という現象が起こって歩行困難になることもあります。まずは痛みのコントロールを行い、症状が残存するようであれば関節鏡手術をお勧めすることがあります。
足
足関節は体の一番下にある関節です。そのため体重を最も受ける関節でもあります。
しかし、股関節や膝と違い、足関節の変形性関節症の方はそれらに比較するとかなり少ないです。足は多くの骨と靭帯から構成されており、けがによる疼痛、スポーツ等での疼痛がよく見られます。
足関節捻挫(足関節靭帯損傷)
足関節の外側にある外くるぶしの前や下あたりに、痛みと腫れや熱感が生じます。受傷した所は押しても安静時でも痛みます。程度により、靭帯が軽く伸びた状態、靭帯の一部が切れた状態、靭帯が完全に切れた状態の3つに分けられます。また、症状によっては骨折をともなうこともあります。
足底腱膜炎
足の裏やかかとに痛みを生じるのが特徴で、つま先立ちやかかとを着くと痛むこともあります。歩き始めは痛くても、歩いているうちに痛みが軽くなっていくのも特徴の一つです。押すと痛みが伴い、腫れやしこりを感じる場合もあります。
外反母趾
足の親指が身体の外側に向かって「くの字」に曲がり、付け根の部分が飛び出して痛みます。歩いていると飛び出した付け根の部分と靴がこすれて、さらに痛みが強くなります。腫れや赤みのほかに、足の裏にタコができる場合もあります。
扁平足
おもに内側のくるぶし周囲の痛みや足の裏の痛み、タコができやすいことなどがあげられます。足がむくんで疲れやすい、歩きにくいといった症状も伴います。幼児の頃から扁平足の経験がる方に多く発症する傾向にあります。初期の場合には、あまり症状が出ません。また幼児期に扁平足であっても、成長にともないアーチが形成され自然に治ることもあります。
足根骨癒合症(そっこんこつゆごうしょう)
足の根元にある骨が癒合(くっついてしまうこと)することで運動障害や痛みが出る病気です。足の骨の発育障害が原因の先天性疾患と考えられています。
癒合部位としては①距骨・ 踵骨間、②踵骨・舟状骨間、③舟状骨・第1楔状骨間の順で頻度が高くなります。
全身
整形外科の疾患は運動器(筋肉・骨)を原因とした局部的なものが多いです。
中には全身疾患として症状をだすものもあります。
骨粗鬆症(こつそしょうしょう)
骨粗鬆症とは骨が弱くなり骨折しやすい状態のことです。特に女性は閉経後に急激に骨が弱くなり、骨折しやすくなります。
骨粗鬆症になると特に、股関節の骨折(大腿骨頸部骨折)や背骨の骨折(圧迫骨折)、手首の骨折、肩の骨折をおこすことが多いです。
股関節や背骨の骨折は、体調を崩したり、足腰を弱くするだけでなく、生命予後にかかわることがわかっています。そのため、骨粗鬆症の予防、治療は非常に大事になります。
高血圧があると当然のように治療をする。それは高血圧を原因として動脈硬化や脳梗塞や心筋梗塞など命にかかわる病気になることを理解しているからだと思います。
しかし骨粗鬆症も高血圧と同様に命にかかわる病気であることは残念ながらあまり知られていません。
骨粗鬆症の推定患者数は1280万人ほどですが、実際に治療されている方はせいぜい100万人といわれています。つまり、1000万人以上の方が、骨折をしやすい状態にあるにもかかわらず、治療していないということになります。
当院では骨粗鬆症の状態を把握するために骨密度測定、血液検査、レントゲンの3つを行い、その人にあった治療を行っていきます。
投薬治療により、骨折を予防することは十分可能となっています。日本骨粗鬆症学会認定医の院長による十分なご説明の上、適確な骨粗しょう症治療を行い、骨折を未然に予防します。
痛風
特に夏場になると脱水傾向が強くなり、痛風発作を起こす男性が多く来院されます。
血液中の尿酸という物質が高くなることを高尿酸血症と言います。この尿酸が結晶化したものが関節に沈着すると強烈な痛みを発します。これを痛風発作といいます。特に足の親指の付け根に痛みを訴える方が多いです。人により足のほかに、足首・膝・手首等に症状が出ることもあります。放っておくと関節の変形が進行し痛風結節という石灰のようなものが詰まった腫瘤ができることがあります。
プリン体(レバーや青魚、肉類に多く含まれる)という物質を過剰摂取しないこと、アルコールを摂取しないことが重要です。また、乳製品やビタミンCは尿酸値を下げる作用があります。水分摂取をしっかりすることも尿酸値を下げる効果があります。逆を言えば脱水傾向にあると尿酸値は高くなってしまうので気を付けましょう。
当院では痛風を疑った際には血液検査を行い、その患者様の既往や状態にあった薬を選択し、定期的な検査にて疼痛コントロール、高尿酸血症のコントロールを行っています。
リウマチ
リウマチは、関節リウマチ(Rheumatoid Arthritis)として知られる自己免疫疾患です。主に関節に炎症を起こし、徐々に関節を壊してしまいます。
リウマチは30~50歳台に発症することが多く、女性に多い疾患です。遺伝性があり、血縁関係にリウマチの患者様がいる場合はリスクとなります。初期症状としては熱っぽさ、だるさ、食欲がないなど。また朝の関節のこわばりや関節の痛み等が出ることがあります。関節に関しては指の第2関節の痛みや指の付け根の関節、手首の関節の痛みが初発症状として出ることが多いです。早期発見することで治療成績はかつてに比べてかなり良くなっています。血液検査やエコーを使用しての診断になります。当院の院長はリウマチ認定医でもありますのでご不安のある場合はご相談ください。
ロコモティブシンドローム
ロコモティブシンドローム(略称:ロコモ、和名:運動器症候群)とは、「運動器の障害のために移動機能の低下をきたした状態」と定義されています。高齢になると膝痛や腰痛、骨粗鬆症、筋力低下など様々なことが同時に起こってきます。これらをそれぞれ別個にとらえていたのでは、効果的な予防、治療は困難です。そこで、2007年、日本整形外科学会より「ロコモ」という概念が提唱されました。いつまでも自分の足で歩き続けていくために、運動器を長持ちさせ、ロコモを予防し、健康寿命を延ばしていくことが今、必要なのです。
ロコモを判断するツールとして、ロコチェックとロコモ度テストがあります。
ロコチェックは気づきのツールであり、ロコモかどうかの判断にはロコモ度テストを用い、これにはロコモの判定基準(臨床判断値)があります。
また当院では月に1回「身体・運動の無料測定会」を行っております(2023/11月現在)
ご興味のある方はご相談ください。